俺はこの時、今までそれが普通だと思っていた基準が崩された。その瞬間、何が信じるべきことで、何が間違っていることなのかという単純なことがわからなくなってしまった。
そして俺は、あの人の言葉が、行動が、怖いと感じるようになってしまった。
目を合わせられない。声を掛けられるたびに、何を言われるのかと怖くて仕方がない。
だけど俺はそれを本人に知られてはならないと分かっていた。俺が怖がっていると知れば、あの人はきっと俺を気遣って、離れていくだろう。それだけは、避けなくてはならない。
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山手線企画の話です。このキャラクターの話は手ブロの記事とメモと平行して小説を書いているので、全貌が知りたかったら全てに目を通す必要があるかも知れません。ややこしくて申し訳ないです……。